「海を守る」とかいう漠然とした言葉の意味を、おこがましくも考え続けるブログ

魚オタクの筆者が、「海を守ること」「より多くの人が海の恩恵を受けること」をテーマに、たくさんの人の知恵をつなげようというブログです。 科学的な目線、社会的な目線…色々な視点から、より多くの方と関われればと考えています。 ご賛同もご反論も、ドシドシお願いします! ブログの詳細はこちら http://take-to-enjoy-the-ocean.blogism.jp/archives/2690844.html ※あくまで個人的なブログです。所属する会社等とは無関係ですのでご注意ください。

タグ:頑張りすぎていませんか?

日本漁業の「獲りすぎ・頑張りすぎ」について考える今回の連載

では、そもそも漁師さんの「頑張り過ぎ」って、何のことでしょうか。

 

主に

1.海にいる魚のうち漁獲されるものの割合が高すぎるため、現状よりも資源量を減らしてしまうレベルの漁獲割合

2. 海の中に、本来必要な親魚量を残せない漁獲量

の2つです。

 

この2つの原因として

3.(避けられないケースも多々ありますが)大型個体に成長する前段階での漁獲

も目立ちます。

ご覧いただきありがとうございます。
日本漁業の「獲りすぎ・頑張りすぎ」について考える連載【頑張りすぎていませんか?―変わる漁業と、現場の不安と―の1回目。これから宜しくお願いいたします。

 

さて、漁師さんの「頑張りすぎ」を指摘する人に対しよくある反論の1つ。

「漁獲が減ったのは、魚ではなく漁船や漁師さんが減ったからじゃ?」。

 

たしかに魚種によっては魚自体ではなく、漁師さんが足りないせいで獲れなくなっています

例:ニギス(太平洋系 903ページ)http://abchan.fra.go.jp/digests28/details/2828.pdf

また、貝や海藻などでは人手不足によって資源が採り切れない場合も多いようです。

 

ただし多くの魚種はやはり資源自体が減っているという見方が自然でしょう。

「1回漁をしたら平均何トン魚が獲れるか」という数字が下がっているからです。

漁業者が減っただけで魚が減っていないとすれば、この数字は落ちないはずです。

 

政府の調査では、主要魚種の半分近くが「低位=量が少ない」と診断されています。

http://abchan.fra.go.jp/digests28/index.html

(具体的な数字を見たい方は、魚種別系群別の「単位漁獲努力量あたりの漁獲量=CPUE」を見てみてください)

「日本の海から魚がいなくなっている。そのせいで魚が獲れない」

最近、そんな報道が目立っています。

 

実際、日本の沿岸・沖合で獲れる魚の量は30年前の3分の1。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/H28/attach/pdf/index-17.pdf

 

政府も「魚が減った大きな理由として、過去の獲り過ぎがありそうだ」と考え、対策を話し合っています。

http://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/71148

http://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/73072

 

たしかに、魚が減ってしまえば、最終的には魚を獲る人、加工する人、売る人・食べる人みんなにとって損です。

筆者も前回、魚食文化を守るために「たくさん獲りすぎず、獲ったものの美味しさを追求する考え方」が大切だと書きました。

 

ただ、漁業現場からは「今までのやり方を変えることで、培ってきた日本の漁業が壊されてしまうかも」と不安の声が相次いでいます。

 

では、どうすれば現場の不安を解消しつつ対策も取れるのか

「海を守る」というテーマで最初に書くべきはこれだと考え、書き方を思案していました。

(せっかくブログ立ち上げに沢山の「いいね」をいただいていたのに、遅くなってしまってすみません!)

 

出した答えは、不安の声に対し1問1答、知り得る限りでお応えしてみるというもの。

これから半月~1カ月くらいかけて連載します。

 

さて、科学的にみれば、日本にはまだ、魚を獲り過ぎている部分があります。

ただ、それは漁師さんが一生懸命、働いてきた結果です。

だから、獲り過ぎとか乱獲というネガティブな言葉は、できる限り使いません。

「頑張りすぎ」と表現します。

 

【連載のもくじ】は、こんな感じにします。

(1)漁獲が減ったのは、魚ではなく漁船や漁師さんが減ったからじゃ?

(2)そもそも漁師さんの「頑張りすぎ」って?

(3)日本の漁業者は自主的に資源保護をしてるじゃん?

(4)日本の漁業では魚の保護策が浸透している。なのに、「頑張りすぎ」なんて起きるの?

(5)どうせ中国とかでしょ?「頑張りすぎ」てるのは。

(6)環境変化のせいで魚が減ったのであって、「頑張りすぎ」ではないんじゃないの?

(7:重要)「頑張りすぎ」を指摘させない空気って?

(8)日本で「頑張りすぎ」ているのは一部の大規模漁業だけって聞いたけど?

(9)厳しい漁業規制には、科学調査や漁業監視に税金がかかりすぎるんじゃ?

(10)科学だって正しいとは限らないでしょ?

(11)科学をタテに、実態以上に日本漁業を批判している人がいない?

(12:最重要)漁業者と科学者、どうしたら分かり合える?

(13)漁業規制が強まれば、魚が獲れなくなって漁村・水産業の仕事が減っちゃうでしょ?

(14)漁業規制で漁村全体が儲かったとしても、漁業経営は悪くなるでしょ?

(15)漁獲枠を絞って漁業権を競売するって話があるけど、お金持ち漁師だけが漁業権を独占して漁村が格差社会化するんじゃ?

(16)taketoはなぜ、最初に「頑張りすぎ」対策を取上げたの?

 

これからお書きする「頑張りすぎ」問題は本当に複雑で繊細。

だけど、現代日本だからこそ、取り組む価値がある問題。そう筆者は信じています。

 

打開のカギは、もくじの通り「漁師と科学者が分かり合うこと」。

よろしければぜひ、お付き合いください。

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