「日本人の魚離れ」という言葉を聞いたことがありますか?

近年の日本。魚が減り、獲れなくなり、価格が上がった。安い畜肉も流通している。
色々と重なった結果、魚の消費量が落ち、「魚食文化の危機!」なんて言われている。

「海や魚を守ること」「より多くの人が海の幸の恩恵を受けること」をめざす当ブログとしては、悲しいことです。

では、どうすれば良いのか。筆者は

①魚を「たくさん食べる意識」から「おいしく食べる意識」への転換

②「ハレの魚」と「ケの魚」の区別


の2つが大切だと考えています。

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①魚を「たくさん食べる意識」から「おいしく食べる意識」への転換

これが必要な理由。
第一は「多くの魚種が減っていて、これ以上たくさんは獲れないから」。
そして「減った魚を無理して獲り続けると、海中で産卵すべき魚すら獲り尽くしてしまい、将来、もっと魚が減ってしまうから」です。

漁師や水産業者が魚を獲る/売る量を減らす

水産業者は魚1尾あたりの値段を上げて収入を保つ
(値段が高い魚でも売れるよう、魚の味を高める)

魚の味が良くなることで、消費者は値上がりにも納得できる

…という方向性が大切になります。

さて、こういうと「魚を獲ったり食べたりする量が減ったら、それこそ魚食文化の危機じゃないか!」というお叱りが聞こえてきそうです。

そこで、カギになるのが②だと思っています。


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②「ハレの魚」と「ケの魚」の区別


これはつまり、「たくさん安く獲って良い魚種」と「たくさん獲ったら壊滅してしまう魚種」を分けて考えるということ。

例えば近年、日本の海にいなくなっていたマイワシが復活しつつあり、よく獲れるために価格も安くなりつつあります。
このマイワシ、お安いけれど実はとっても美味しい。
特に今、梅雨時のマイワシは脂がのっていて刺身にも最高です。

こういうお魚は、あまり遠慮せず安く売買して、高い頻度で食べていけます。

逆に、日本のウナギやクロマグロ。
今、普通に安売りされていますが…安売りというのは多量に売るから商売になるわけです。
両種とも絶滅危惧種なのに、多量に売っている場合じゃないはず。

しかも、安売りの商材は、コストをかけない獲り方や処理をされています。
安かろう悪かろうで、正直、美味しくないことも多い。
消費者からすれば「せっかく高級魚を買ったのに、おいしくない」となりがちです。

こういう希少な魚種は、まず水産業界が無闇に安売りしない。獲る量を厳しく規制し、売る量も絞って、代わりに美味しい状態で出す。
消費者側は、こういう魚をちょっと特別な「ハレの日」にだけ、それなりの金額を出しておいしく食べるべきでしょう。


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そんなこんなで、このブログで漁業/魚食について書くときは今後も

①魚を「たくさん食べる意識」から「おいしく食べる意識」への転換
②「ハレの魚」と「ケの魚」の区別


この2つのテーマを柱にしたいと思います。

これからは、①や②の背景や実践方法について、具体的な話を書いていく予定!
水産業界目線、消費者目線、科学者目線、未来志向…色んな角度からお話したいと思います。

漁業/魚食は筆者の専門とも近いので、この辺の話題が向こうしばらくは中心になるかと思います。
良かったらお付き合いください♪