いや、すみません。
先日は取り乱しました…
新漁業法を必要以上にこき下ろすご意見に、けっこうブチ切れてしまいました。

ただ、おかしなことを言っていないとは今も思ってます。
新しい漁業法って、使い方さえ間違えなければ、
海の環境を良くして、漁獲や養殖を増やしていくのに、役立ちますからね。

もちろん「使い方を間違えないため」の批判なら、どんどんすればいいです
(実例が気になる方は先日の投稿をご参照のこと)。

しかし、必要なのは誹謗中傷じゃないだろうと。
ちゃんとした根拠と提案のある、そして人を極力こき下ろさない、
前向きな「批判」をしてくれよと。

・・・

で、どちらにも一理はある。

でも、一理だけなんです。意見は人によって違うし、それぞれに長短所がある。
「完全に正しい人」も「完全無欠の政策」も、存在しない。
だから、せめて双方を「良いとこ取り」をするしかない。
良いとこ取りで得する人を増やし、損する人を減らさなきゃ、
多くの人には納得・協力される形にならない。

国の水産改革は良いとこ取りを目指すものだよ…っていうのが先日のお話でしたが、
僕ら報道記者の使命も、そういうところかなって思います。

もちろん、良いとこ取りをしようとすると、敵認定されますよ。
「お前は論敵の意見を書いたな、あいつ寄りなんだな!」って。
それは辛いです。

そんなことをしなくても、
敵視されそうな話題を避けていれば嫌われないし、
声の大きな人に合わせていれば守ってもらえます。

それでも、保守論も革新論も、両方を学んで書いて。
保守的な人から「欧米や環境団体の手先」とか汚名を着せられ、
革新的な人から「日本政府の御用記者」とか罵声を浴び、
板挟みされるのも記者だろうと。

そうじゃなきゃ、報道が広報になっちゃいます。
結局、声の大きな人の意見ばっかりスポットを浴びて、
目の前の問題が、泣いている人たちが、見て見ぬふりされ続けちゃいます。

・・・

報道を志した以上、「板挟まれのプロ」になるしかない。
そこまでは覚悟してます。
でもね、どうせ板挟みに遭うなら、意味のある板挟みにして欲しいんですよ。

保守も革新も、大いに言い合ってくれて良い。
だけど、憶測とか人格攻撃でこき下ろし合うだけで、論破を気取っちゃうとか何事ですか。
ちゃんとした根拠と提案を持って、堂々と論敵に挑んでください。
「こういう理由があるから、こうした方が世の中が良くなる」と示してください。

論敵からは耳の痛いツッコミや、不都合なデータが来ます。
聞きたくないですよね。
話を逸らしたり、小難しい言葉で誤魔化したり、根拠なく否定したりしたいですよね。
でも、聞いてください。
あなたが誤魔化そうと拒もうと、魚が少ないという分析は出てしまっている。
別のあなたが耳を塞ごうとキレようと、日本のやり方に良い部分はたくさんある。
そこに言い返せるだけの根拠も対案も持っていないなら、聞いてください。

若い漁師さんたちとか科学者たち、その他官からも民からも、
「正論すら聞いてもらえない」って嘆きが止まらんのです。
結論ありきでご都合主義の大きな声に、正論がかき消されるって。
そりゃズルいですよ、(左右問わず)声の大きな皆様。

意見を言う以上、正しい反論は聞き入れてください。
じゃなきゃ、「良いとこ取り」になりません。
僕らは板挟まれ損です。ふざけんな。

あーあーあー、結局ちょっと怒気を帯びてしまいましたね。
前回ほどじゃないですが、気を遣わず書いたせいです(その香水のせいじゃないです)。
でも、普段の文章より読みやすいかもとか思ったり。

とにかく!メディアにも国にも、もっと実のある批判を!!待ってます!!!